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【KIZUKIプロジェクト】3学年復興教育『共助の在り方 ~あなたもできる!視点と始点~』

 10月19日(金)に行われた、いわて復興教育推進事業の一環として、岩泉町にある、NPO法人クチェカより、鈴木悠太氏と千葉慎也氏をお迎えして共助についてワークショップと講演会を行いました。

左 千葉さん 右 鈴木さん

 防災士の資格を有している、鈴木さんは、まずアイスブレイクとして、生徒に自分が助けて欲しいことをカードに3つ書いてもらうところから始まりました。

なんて書こうかな~。俺は早起き苦手だから「起こして欲しい」📝って書こう~。
私達は・・・「掃除」!

 それぞれが助けて欲しいことを書いていきました。
 次は順番に助けて欲しいことをカードを持ちながら皆さんに訴えます!

誰かこれ手伝ってくれませんか~。僕は無理です!
助けてくれてありがとう!
助け合いが成立したら握手をしましょう。

 助けて欲しい人がいるから、助けてあげる人も存在できる。これが共助の形であることを、自己の課題を共有することで、学びました。

では、机の真ん中に誰も助けられなかったカードを置いてみましょう。

鈴木さん「真ん中に置かれたカードは地域の何でしょうか?」
生徒「課題ですか?」
鈴木さん「そうだね!これが地域の課題になりそうだね!」
生徒達「なるほど!」
鈴木さん「これは誰が解決してくれるかなぁ・・・。」
このやり取りで、次第に共助が浸透していくのを感じました。

 共助が浸透してきたところで、今日覚えて欲しいことは「※災害ケースマネジメント」です。(※被災者一人ひとりの被災状況や生活状況の課題等を個別の相談等により把握した上で、必要に応じ専門的な能力をもつ関係者と連携しながら、当該課題等の解消に向けて継続的に支援することにより、被災者の自立・生活再建が進むようにマネジメントする取組)

岩泉よりそいみらいネットって知ってますか?

 「岩泉よりそいみらいネット」の発足は台風10号による豪雨災害を受けてからです。被災者はたくさんの課題に直面します。自宅の再建。家財道具。被災によっての仕事の有無。普段、行政の立場から言えば、それぞれの部署があり、それぞれのところに連絡してもらうことが当たり前ですが、被災者にとってその状況はどうでしょうか?たらい回しにされることで、時間と労力がさらに負担としてのしかかります。その課題を包括的に引き受けるのが「岩泉よりそいみらいネット」であり、1人ひとりがある程度再建できるまで計画と伴走するのが災害ケースマネジメントなのです。

資格の欄を見てください!私は、地域の除雪も担当しています☃

 千葉さんは、平成28年の岩泉台風10号豪雨災害発生時にX(旧ツイッター)で刻一刻とかわる状況の変化をリアルタイムでツイートし、危険が迫っていることを発信し続けました。

とにかく、率先して逃げることが大事です。
ここに線状降水帯が発生していますね☔

 この復興教育を通して、今回のテーマでもある「共助」の視点を改めて防災士の方々から学びました。岩泉町を支援している人がいるから、私たちは安心して過ごすことができます。だからこそ、私たちが出来ることを見つめ直し、この機会を有意義なものにして欲しいと思います。

 さて、午前中は「共助」の視点を手に入れました。
 午後の学びは「応急処置」の知識を取り入れて、自分の出来ることを増やそうと岩泉町役場危機管理課の方々から伝授いただきました。

岩泉町役場危機管理課の八木橋弘一氏

 身近なものを活用しての「応急処置」が今回のテーマです。今回準備したものは下の写真。あなたは処置が必要な人に、どれを、どのように活用しますか?

応急処置に活用する、普段身の回りにあるモノ

 生徒は試行錯誤しながら、慣れない手つきで処置していました。

止血はこれでいいかな?
新聞紙でも何枚か重ねれば安定しますよ!
ビニール袋でこんなことできるのか😲
バッチリ固定されています

 知識を手に入れると、行動に移そうと思うようになります。自分が行動に移すことで、被災している状況下で、その行動は元気を与えます。
 全体を通して感じたことは、「共助」とは「声を掛けること」これが率先して行うことだと思いました。
 3年生はそれぞれの進路先に旅立ちます。地元に残る生徒もいますが、町を一旦離れる人がほとんどです。新天地でも、新しい友人と声を掛け合いながら、励まし合い、助け合って欲しいと思います。
(文責:KIZUKIプロジェクト担当 松田 光正)

最後まで読んでいただきありがとうございます。 今後とも、岩泉高校をよろしくお願いいたします。