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【KIZUKIプロジェクト】2学年SDGs演習

 令和6年5月13日に本校2学年を対象として、SDGs演習を実施しました。株式会社サンサンスターラボ代表取締役の髙野嘉明様を講師にお招きし、SDGsの目的や本質についてお話しいただくとともに、SDGsカードゲームの演習を行いました。

【講演】SDGsの本質

講演を真剣に聞く生徒達

 講演の中では、"No one left behind"を合言葉として、「誰も取り残されない社会」を2030年までに実現することがSDGsの究極的な目標であることを学びました。また、この目標は、一部の先進国や途上国が取り組むだけでは実現できず、全世界的に取り組まなければならないということを、お話しいただきました。

【演習】SDGsカードゲーム(前半戦)

 講演の後で、世界で起きていることを体験的に学ぶため、SDGsカードゲームを行いました。

ゲーム開始前。手元にある「お金」や「時間」などを確認中

 このカードゲームでは、それぞれのグループに対して、経済成長や環境保護のような「達成したい目標」が割り振られています。各グループはその目標の達成に向けて、「お金」や「時間」を資本とし、種々の条件の下で、様々なプロジェクトを実行していきます。しかし、そのプロジェクトの実行結果によって、世界の状況は刻一刻と変化していきます。各グループはその状況をにらみながら、どのプロジェクトを実行するかを考えていかなければなりません。

どのプロジェクトを実行するか、各グループで話し合い。

 前半戦終了後の結果は…!各グループが実行したプロジェクトにより、この世界は「経済面」の成長に偏りが出てしまい、「環境面」や「社会面」には課題が残る結果となってしまいました。かつての日本でも、華々しく経済が成長する一方で、大気汚染や水質汚染などの様々な問題が発生しました。まるでそのような状況を表すかのような結果に、生徒は驚いた様子でした。

経済に大きく偏った「状況メーター」

 前半戦を終えて、より良い世界となるためには他のグループと交渉することが重要であるというアドバイスがありました。プロジェクトの実施条件が厳しく実行できていないグループは困っていると声を上げ、「お金」や「時間」などの資本が余っているグループは、困っているグループにその余剰資本を差し出す。そのような交渉を行ってみようという助言を基に、後半戦に臨みます。

【演習】SDGsカードゲーム(後半戦)

 アドバイスの後、ゲームに取り組む様子はガラッと変わりました。それぞれのグループが声をかけ合い、それぞれの強みを生かしながら、より良い世界の構築に向けて働きかけています。

複数のグループが集まって、話し合い。さながら、国の代表者会議のよう。
お互いの条件が合致して、資本をやり取り。
こちらは条件が合わず、お互いの妥協点を協議中。

 後半戦を終え、世界の状況は…!依然として「経済面」への偏りはあるものの、前半戦終了時から大きく変化し、「環境面」「社会面」の両方において成長が見られました。グループ同士がお互いに対して、そして、世界全体の状況に対して意識を向けることで、経済成長一辺倒だった世界がよりバランスの取れた世界へと変化することができました。

「環境面」「社会面」でも進歩が見られ、バランスが改善されました!

【振り返り】今回得られた「気付き」

 カードゲームを終え、最後に振り返りを行いました。カードゲームの前半戦と後半戦で意識していたモノがどのように変化したのか、また、その変化がなぜ生じたのかを、それぞれの意見をグループ内で共有しました。

それぞれの「気付き」を共有します。

 前半戦は、自分のグループの目標達成しか考えていませんでした。アドバイスを受けて、世界の状況がどうなっているかとか、困っているグループがないかなど、後半戦では他の人のことを考えることができるようになったと思います。他者のことを考えることで、行いたいプロジェクトや、資本の生かし方が変わりました。

生徒の振り返りより抜粋

【今後にむけて】

 今年の2学年KIZUKIプロジェクトでは、「地域を支える学校」を目指し、これまでの内容を深化させ、新たな取り組みを行っています(その具体的な中身は随時noteに投稿予定です!)。その取り組みにおいても、今回学んだ「他者を考える視点」は非常に重要な役割を担ってくるでしょう。
 今回の講演・実習で学んだことを生かし、世界で起きている様々なことを我が事としてとらえ、世界全体がより良い方向に向かっていくために、個人で何ができるのかを考え実践してくれることを期待しています!

 講演してくださった髙野嘉明先生、ありがとうございました!!

(文責:2学年長 井形優)

最後まで読んでいただきありがとうございます。 今後とも、岩泉高校をよろしくお願いいたします。